2021年2月のブログです
*
小倉清さんの『子どもの精神科症例集-予防医学と母子デイケア』(2020・岩崎学術出版社)を読みました。
新刊です(小倉さんはいくつになられてもすごいですね!)。
そして、内容もすごい本です。
いくつかの症例とフロイトのハンスの症例の再検討、それと、鼎談からなっていますが、この症例がすごいです(さっきから、すごい!の連発ですね)。
小倉さんは診察室に入ってきた子どもの表情を見ると、この子は家ではこんな感じではないかな?こういう親子関係なのではないかな?こういう歴史を生きてきているのではないかな?と、パッと読み取ります。
それはエヴィデンスというよりは、小倉さんのこころにわいた物語のようなもののように読めるのですが、しかし、それが当たっていると、子どもは自分を理解をされたという様子を示します。
そして、治療的な関わり合いが始まります。
ここの場面が感動的ですし、それを言葉にできる小倉さんは本当にすごいと思います。
子どもへの愛情がとてつもなく深く、それが臨床的な確かな技術にきちんと支えられている印象を受けます。
こういうお医者さんに診てもらえる子どもは幸せだなと思います。
もう一つは、鼎談に出てくる母子デイケアのお話。
子どもだけでなく、お母さんも治療的に抱えられるような場になっているようで、興味深いです。
いくつになってもお元気な小倉さんの様子に接して、じーじももう少しだけ頑張ろうと思います。 (2021.2 記)
*
ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)のご紹介
経歴
1970年、旭川東高校に進学するも、1年で落ちこぼれる。
1973年、某四流私立大学文学部社会学科に入学。新聞配達をしながら、時々、大学に通うが、落ちこぼれる。
1977年、教員採用試験に落ちるが、家庭裁判所調査官補採用試験にまぐれで合格。浦和家庭裁判所、新潟家庭裁判所、同長岡支部、同新発田支部で司法臨床に従事するが、落ちこぼれる。
1995年頃、家族療法学会や日本語臨床研究会、精神分析学会、遊戯療法学会などで学ぶ。
2014年、定年間際に放送大学大学院(臨床心理学プログラム・修士課程)を修了。
2017年、臨床心理士になり、個人開業をする。
仕事 心理相談、カウンセリング、心理療法、家族療法、遊戯療法、メールカウンセリング、面会交流の援助などを研究しています。
所属学会 精神分析学会、遊戯療法学会
論文 「家庭裁判所における別れた親子の試行的面会」(2006・『臨床心理学』)、「家庭裁判所での別れた親子の試行的面会」(2011・『遊戯療法学研究』)ほか
住所 新潟市西区
mail yuwa0421family@gmail.com