ゆうわファミリーカウンセリング新潟(じーじ臨床心理士・赤坂正人)

こころと暮らしの困りごと・悩みごと相談で、じーじ臨床心理士が新潟市で公園カウンセリングなどを研究しています。

村上春樹さんを読む

村上春樹 『ノルウェイの森』(上・下)1987・講談社-死と生に真摯に向き合う物語

2019年6月のブログです * 村上春樹 さんの『ノルウェイの森』(上・下)(1987・講談社)を再読しました。 まだ余韻にひたっていて、うまいこと文章が書けるかどうか心配ですが、なんとか書いてみます。 『ノルウェイの森』を読んだのはかなり久しぶり…

村上春樹『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』2011・マガジンハウス-世間との違いを大切にすること

2011年のブログです * 村上春樹さんの『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』(2011・マガジンハウス)を読みました。 面白かったです。 あまりこの欄には関係がないと思うかもしれませんが、河合隼雄さんと夢についての章もあります。 あ…

村上春樹・柴田元幸『翻訳夜話』2000・文春新書-翻訳という生き方

2019年春のブログです * 村上春樹さんと柴田元幸さんの『翻訳夜話』(2000・文春新書)を久しぶりに再読。 ついこの間読んだような気がしていたが、19年も経っていた(村上さん、ごめんなさい)。 そういえば、この時点で、村上さんは、キャッチャー…

村上春樹 『猫を棄てる-父親について語るとき』2020・文藝春秋-村上さんが猫とお父さんを語る

2020年4月のブログです * 村上春樹さんの『猫を棄てる-父親について語るとき』(2020・文藝春秋)を読みました。 つい最近、出た本ですが、小さな本ですので、あっという間に読んでしまいました。 しかし、内容は深いです。 村上さんのお父さんのこと…

村上春樹 『ダンス・ダンス・ダンス』(上・下)1991・講談社文庫-『羊をめぐる冒険』の世界へ

2019年6月のブログです * 村上春樹さんの 『ダンス・ダンス・ダンス』(上・下)(1991・講談社文庫)を再読しました。 なんとなく、あらすじの一部をぼんやりと覚えているような気がしていたので、再読がしばらくぶりになってしまいましたが、細部は…

村上春樹 『やがて哀しき外国語』1997・講談社文庫-村上さんのプリンストン滞在記です

2019年春のブログです * 村上春樹さんのエッセイ『やがて哀しき外国語』(1997・講談社文庫)を再読しました。 じーじが持っている本は2011年発行で、読むのはおそらく今回が3回目くらいかなと思います。 もっと早くに再読したかったのですが、な…

村上春樹『女のいない男たち』2016・文春文庫-おとなが味わう不思議な小説たち

2016年のブログです * 村上さんの短編集『女のいない男たち』(2016・文春文庫)を読みました。 単行本は2014年に出ましたので、3年ふりの再読です。 いつものことですが、年のせいもあって記憶力が低下しており、あらすじをかすかに覚えている作…

村上春樹『ラオスにいったい何があるというんですか?-紀行文集』2018・文春文庫

2018年4月のブログです * 村上春樹さんの『ラオスにいったい何があるというんですか?-紀行文集』(2018・文春文庫)を読みました。 2015年に単行本が出ていて、2回くらい読んでいたのですが、今回の文庫本には、その後にあった熊本地震の後に書…

村上春樹 『羊をめぐる冒険』(上・下)1985・講談社文庫-ふしぎな「冒険」を味わう

2015年のブログです * 村上春樹さんの『職業としての小説家』を読んでいたら,村上さんの小説も読みたくなり,本棚の上に積み上げていた文庫本の『羊をめぐる冒険』を読みました。 約10年ぶりくらいで,5回目くらいの再読です。 しかし,とっても新…

村上春樹『職業としての小説家』2015・スイッチパブリッシング-小説家としての覚悟を語る+追記です

2015年のブログです * 村上さんの『職業としての小説家』(2015・スイッチパブリッシング)を読みました(なぜかマックス・ウェーバーさんの『職業としての学問』を思い出したのですが,あまり関係はないのかな?)。 とても刺激的な本です。 小説家と…

村上春樹『街とその不確かな壁』2023・新潮社-喪失・疎外・魂

2023年4月のブログです * 村上春樹さんの『街とその不確かな壁』(2023・新潮社)を読む。 重厚な物語だと思う。 まだ一回読んだだけなので、今後、印象は変わるかもしれないが、一回読んだところで連想したことは、喪失、疎外、魂、という言葉。 激し…

村上春樹 ・川上未映子『みみずくは黄昏に飛びたつ』2017・新潮社-ただのインタヴューでは「あらない」です

2017年4月のブログです * 村上春樹さんに作家の川上未映子さんがインタヴューをした『みみずくは黄昏に飛びたつ』(2017・新潮社)を読みました。 すごく面白かったです。 騎士団長ふうにいうと、ただのインタヴューでは「あらない」、です。 とても深…

村上春樹『海辺のカフカ』(上・下)2011・新潮文庫-生きることの不思議さとユーモアの大切さを味わう本物の物語

2017年4月のブログです * 村上さんの新作『騎士団長殺し』を読んでいたら、『海辺のカフカ』を思い出しました。 物語の底を流れるユーモアの質にじーじは同じような印象を受けました。 特に、ホシノくんをめぐるユーモアと同質のように思える前向きな…

2017年4月の「朝日新聞」村上春樹さんのインタヴュー「『騎士団長殺し』の執筆語る」

2017年4月のブログです * 今朝の「朝日新聞」に載った村上春樹さんのインタヴュー「『騎士団長殺し』の執筆語る」を読みました。 あまり自分の小説については語らない村上さんが、めずらしく少しだけ語っておられます(とはいっても、一面の半分程度の…

村上春樹 『国境の南、太陽の西』1995・講談社文庫-喪失と再生の物語を読む

2019年3月のブログです * 村上春樹 『国境の南、太陽の西』(1995・講談社文庫)を再読しました。 かなりひさしぶりです。 この本も本棚の横の標高約120センチくらいの文庫本の山の中の標高10センチくらいのところに埋もれていて、読みたいなと思…

村上春樹 『騎士団長殺し』(第1部・第2部)2017・新潮社-その2・驚きと穏やかさと

2017年3月のブログです * 少し迷いましたが、村上さんの 『騎士団長殺し』(第1部・第2部)(2017・新潮社)の感想文の第2報を書いてみます。 まだまだ読み終えていないかたも多いと思いますので、あらすじは書きません。 しかし、結末を少しだけ書…

村上春樹 『騎士団長殺し』(第1部・第2部)2017・新潮社-その1・哀しみとユーモアと

2017年3月のブログです * 村上さんの 『騎士団長殺し』(第1部・第2部)(2017・新潮社)を読みました。 これからも読後感や印象がどんどん変化すると予想するのですが、第1報をとりあえず書いてみます。 まずは、とてもおもしろかったです。 じー…

村上春樹『色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年』2015・文春文庫-村上版『悪霊』かな?

2015年のブログです * 村上春樹さんの『色彩を持たない田崎つくると、彼の巡礼の年』(2015・文春文庫)を読みました。 単行本が出た2013年4月に一度読んでいますので、久しぶりの再読です。 記憶力の悪さに加え、老化現象もあって、あらすじはか…

村上春樹『はじめての文学 村上春樹』2006・文藝春秋-村上さんが子ども向けに選んだ自選短編集です

2024年2月のブログです * 村上春樹さんの『はじめての文学 村上春樹』(2006・文藝春秋)を久しぶりに読む。 この、はじめての文学、シリーズ、日本のいろいろな作家さんが、自分の短編から子ども向けの短編を選んだシリーズで、よしもとばななさんや…

小澤征爾・村上春樹『小澤征爾さんと、音楽について話をする』2011・新潮社

2024年2月のブログです * 小澤征爾さんが亡くなられた。 翌日の「朝日新聞」第2面全体に村上さんの追悼文が載った。 すばらしい文章。小澤さんとの楽しい思い出や貴重な思い出が、温かく、綴られていた。 そこには、子どものような、率直な姿の小沢さ…

村上春樹『辺境・近境』2000・新潮文庫-その場に立って、触れて、はじめてわかることがある。

2024年1月のブログです * 村上春樹さんの『辺境・近境』(2000・新潮文庫)をかなり久しぶりに再読する。 じーじにしてはめずらしく、少し内容を覚えているような気がしていて再読が遅れたが、いざ読んでみると、やはりほとんど覚えていなくて、またま…

村上春樹『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです』2012・文春文庫-その1・魂からの声をきく

たぶん2015年ころのブログです * 村上春樹さんの『夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです-村上春樹インタビュー集1997-2011』(2012・文春文庫)を再読しました。 文庫本では2回目、単行本も含めると、たぶん3回目だと思います。 今回も、小説の力…

村上春樹『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』1999・平凡社-村上夫妻のアイラ島・アイルランドのウィスキー紀行です

2024年11月のブログです * 村上春樹さんの『もし僕らのことばがウィスキーであったなら』(1999・平凡社)を再読する。 1999年の本なので、25年ぶり。 この本は、じーじの部屋の本の山の一番下にあって、背表紙が見えてはいたが、なかなか読め…

村上春樹『村上さんのところ』2015・新潮社-「ユーモア」と「遊びごころ」の大切さ

2015年のブログです * 村上春樹さんの,村上さんのこころ,ならぬ,『村上さんのところ』を読みました。 すごくおもしろかったです。 村上さんの読者やファンの質問に,村上さんが一つ一つ丁寧に答えるという本ですが,ユニークな質問に,ユニークな回…

村上春樹『村上春樹・雑文集』2015・新潮文庫-「普通」の中に「意味」を見つけること

2015年のブログです * 村上さんの『村上春樹・雑文集』の文庫本を読みました。 単行本が出たのが2011年でしたので,久しぶりの再読です。 文庫化に当たって,あとがきと各文章への短いコメントが追加されたので,楽しみが倍増しています 単行本の時…

村上春樹『シドニー!』(①コアラ純情篇・②ワラビー熱血篇)2004・文春文庫-村上さんのシドニー五輪観戦記

2021年8月のブログです * 村上春樹さんの『シドニー!』①コアラ純情篇・②ワラビー熱血篇(2004・文春文庫)を久しぶりに読みました。15年ぶりくらいです。 文字通り、村上さんのシドニー五輪観戦記。 雑誌「ナンバー」の依頼原稿とのことです。 しか…

村上春樹『一人称単数』2020・文藝春秋-死の影、邪悪なるもの、そして、黒ビール

2020年7月のブログです * 村上春樹さんの新しい短編集『一人称単数』(2020・文藝春秋)を読みました。 6年ぶりの短編小説集ということで、8作からなります。 面白かったです。 短編小説集というのは、いろいろな小説が入っているので、それぞれに感…

村上春樹 『ねじまき鳥クロニクル』(第1部~第3部)1998・新潮文庫-邪悪なるものとの戦いの物語

2019年7月のブログです * 村上春樹 さんの『ねじまき鳥クロニクル』(第1部~第3部)(1998・新潮文庫)を再読しました。 これもかなりの久しぶり。ところどころ記憶がありましたが、じっくりと味わいながら読んでみました。 少し暗いですが、重厚な…

村上春樹・柴田元幸『本当の翻訳の話をしよう』2019・スイッチパブリッシング-翻訳について語り合う

2019年のブログです * 村上春樹さんと柴田元幸さんの『本当の翻訳の話をしよう』(2019・スイッチパブリッシング)を読みました。 柴田さんは東大の英文学の教授を長くされて(その割にラフなかたです)、村上さんの翻訳を手助けされてきたという関係に…

村上春樹『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』2011・マガジンハウス-世間との違いを大切にすること

2011年のブログです * 村上春樹さんの『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』(2011・マガジンハウス)を読みました。 面白かったです。 あまりこの欄には関係がないと思うかもしれませんが、河合隼雄さんと夢についての章もあります。 あ…